チャドクガの生態
チャドクガは毒をもつ毛虫で有名です。一般家庭での毛虫被害でよく発生する種類の毛虫となります。
チャドクガは、お茶の木、ツバキ、サザンカなどのツバキ科の植物の葉に卵を産みつけます。その卵が孵化し幼虫(毛虫)になると一つの様々な葉に密集し外敵から身を守るために集団生活を行います。毎年、春頃〜秋頃にかけて『毛虫が大量発生している』とお問合せを頂く7〜8割はチャドクガの被害が多い傾向にあります。幼虫がサナギになるとその表面やマユに毒針をつけ外敵から身を守り、羽化すると体長が20~25ミリほどの成虫(蛾)になります。チャドクガは卵→幼虫→蛹→成虫と成長をしますが幼虫から成虫まで全て段階で毒針を纏っおり、さらには脱皮殻も毒針を纏っているため非常に注意が必要な害虫の一種でしょう。
おもな発生場所
例外を除き、ツバキ、サザンカ、チャなどツバキ科の植物に発生します。稀にチャドクガの発生源付近の植物へ被害が広がるケースや卵が風で飛ばされ、植物のないコンクリート面でチャドクガの卵が孵化し大量に発生するなどもあります。また植え込みや生垣などで幼虫が発生し、刺す毛虫として問題となります。庭木などの手入れ中に毒針毛(どくしんもう)に気づかずに触れてしまい刺されてしまう事もあるので要注意。
毒針毛には要注意
チャドクガは、卵から成虫に至るまで全期間を通じて、外敵から身を護るための微細な毒針(長さ0.1ミリメートル程)を持っています。これを毒針毛といいます。この毒針毛は、風に乗って飛散するため、直接、チャドクガに触れなくとも近くを通るだけで被害に見舞われることがあります。風で飛んできた毒針毛が体の露出している皮膚につくと、強いかゆみをともなう皮膚炎や発疹などのアレルギー反応を起こします。毎年、”自分は大丈夫!”と何も対策をせず駆除を行い、毒針毛に大量に刺された悲惨な目に遭う駆除業者やお客様は後を立ちません。またさなぎになる直前の幼虫(毛虫)の毒針毛は、50万本にも達するといわれています。
また、さなぎになるまでに約6回程度の脱皮をしますが、全ての脱皮殻にも毒針毛が残るので十分注意をしてください。
チャドクガの発生時期
チャドクガの幼虫は、年に2回発生します。1回目の発生時期は4月から5月で、4月から5月に孵化します。2回目の発生時期は8月から9月で、この時期に孵化した幼虫は9月から10月にかけて成虫となります。11月頃に生まれた卵は卵塊の状態で越冬し、次の年の4月〜5月に発生を繰り返します。その時の気温などの影響により1年に3回発生することもあります。
チャドクガの駆除方法
チャドクガの駆除についてご説明します。駆除を行う場合はチャドクガが発生している場所の土地所有者や管理者が実施してください。また、上記で説明したように基本的には素人の駆除は危険なため専門の駆除業者へ依頼してください。
幼虫(毛虫)の駆除
チャドクガを駆除する際は、帽子、長そで、長ズボン、ゴム手袋、マスク、メガネなど、毒針毛が肌に触れないよう可能な限り肌を露出しないようにして下さい。
準備が出来たら幼虫がいる枝を切り落として処分しましょう。樹木全体に幼虫の繁殖が広がってしまうと個人での駆除は非常に危険になり駆除が困難になるため、被害が少ない4月頃、8月頃に早めに処置を行なっておくと良いでしょう。幼虫は殺虫剤に弱いので、市販の殺虫剤で駆除できます。
チャドクガ駆除にオススメの薬剤
市販の薬剤でチャドクガの駆除を行うには下記のようなチャドクガ専用の毒針毛固着剤が必須アイテムと言えるでしょう。こちらの薬剤をチャドクガの幼虫に散布する事で、毒針毛を固着させまた、葉や木にチャドクガの幼虫ごと固着させるため安全に駆除を行い処分する事が可能です。
樹木全体にチャドクガ被害が広がっている場合は、噴霧器を用いた下記のセットを使用して駆除すると良いでしょう。
噴霧器を使用し農薬を散布する場合は十分に使用上の注意を読んでから必ずご使用ください。被害が悪化し外壁などに毛虫が付着した場合には外壁への薬剤散布は外壁が変色するため行わないで下さい。また、固着剤以外の殺虫剤を散布し駆除した場合、葉や木から毛虫がボトボトと地面に落ちますが、チャドクガの幼虫は死骸の状態でも毒針毛は残っているので処理には最新の注意を払って死骸の処分を行いましょう。また毛虫がいた樹木に残っている毒針毛にも気を付けましょう。
成虫(蛾)の駆除
成虫が飛来してきた場合は、止まったところを濡れた雑巾や何枚か重ねたティッシュペーパーで押さえつけ、毒針毛が飛散しないように捕獲しましょう。追い回したり、殺虫剤をかけたりすると、毒針毛をまき散らすことになるので注意しましょう。
チャドクガに触れてしまったら?
症状
毒針毛に触れた直後から、かゆみをともなって赤く腫れ、1日~2日後にかゆみの強い赤い発疹ができます。個人差もありますが、かゆみは2~3週間続きます。発疹は主に肌の露出が多い腕や首などに多く見られます。
処置方法
チャドクガに触れてしまった場合の処置方法として、テープなどの粘着力のある物を刺された部分の周辺にそっと押さえて毒針毛を取り除きます。その後、強い流水やシャワーで上から洗い流します。
薬は、チャドクガ専用薬などはないため刺された場合は可能な限り皮膚科を受診してください。医療機関では、ステロイド外用薬の処方を行う処置が主となり、どうしてもかゆみが強く、患部をかきむしってしまう場合は抗アレルギー薬の内服薬も併用して治療をすることもあります。
まとめ
チャドクガの幼虫の駆除は毒針毛が風に飛んだりと見た目よりも厄介で危険な害虫です。実は毛虫の駆除はプロの駆除業者も嫌がるぐらい厄介で危険な害虫のため、被害を発見した場合は出来る限り自身での駆除は行わず、毛虫駆除の業者に依頼することを強くオススメします。
コメント